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実際に起きた「遺産相続①」全4話「売れない不動産の相続」他

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相続の問題で揉めたくないと考えてはいませんか?

今まで仲が良かった兄弟姉妹や親戚同士でも、相続に直面すると、急にいがみ合うことも多々あるのです。

揉めてしまうことで余計な費用は掛かりますし、ストレスも増えますし、良いことはないでしょう。

だからこそ、相続問題の備えとして、実際に起きた相続トラブルの事例から学んでいきましょう。

こちらを最後まで読めば、相続で揉めないヒントを確実に得ることができるでしょう。

⒈実際に起きた遺産相続NO.1「売れない不動産の相続」


Aさんは、東京で妻と子供2人の4人暮らしをしていて、地方に父親が一人で住んでいました。

Aさんは、父親との折り合いが悪く、ずっと疎遠になっていましたが、父が亡くなったことを受け、父親が住んでいた家と、400坪もある土地を相続しました。

Aさんは、田舎に戻るつもりはなかったため、こちらの家と土地を売却しようと考えたのですが、なにぶん土地が400坪と大きかったため、不動産会社に売却しようと考えました。

しかし、不動産会社が土地を購入できるようにするためには、開発に必要な4mの道路を作ることが必要だと分かり、道路を作るには、近隣の方々の協力をお願いしなければならなくなりました。

長年、Aさんのお父さんは、近隣との接触がないばかりか、土地をきちんと管理していなかったため、土地には雑草が生い茂り、また不法投棄を度々されるようになり、近隣からかなりの苦情が来ていたのです。

近隣の方々は、度々、Aさんのお父さんに、なんとか土地を綺麗に保つようにお願いしたのですが、Aさんのお父さんはこの苦情を無視し続けていたのです。

そのため、Aさんが土地の売却のために、近隣の方々に協力を求めても、近隣の方々は、首を縦に振ってくれません。

Aさんは、結局、土地を売却することができず、そのまま売れない不動産を持ち続けるという結果となってしまいました。

不動産を持ち続けるということは、固定資産税を払い続けるということです。

これ以上近隣に迷惑をかけないためにも、Aさんは、度々、田舎に帰って、土地を綺麗に片付けるということをしなければならないでしょう。

Aさんがそのまま放置してしまうと、今度はそれを相続するAさんの子供にまで、迷惑がかかってしまうからです。

土地を相続するのであれば、その前に、どのように対策をしていくかを決めておかねばなりません。

「自分の土地なのだから、他人など関係ない」と高をくくっていると、痛い目にあいます。

土地を手入れせずに放置していると、雑草が生い茂るだけでなく、猫などの動物が住みついて悪臭がするようになったり、

不法侵入者が現れて、犯罪の温床となったり、景観を乱したりするようになります。

当たり前のことですが、近隣の方々に迷惑をかけないという心がけが、何より重要だと言えるのはないでしょうか。

引用元:不動産相続の相談窓口https://fsouzoku.jp/casestudy/post_42.html

⒉実際に起きた遺産相続NO.2「亡くなった事実婚の夫に前妻の子がいた」


Dさんは、事実婚の夫と20年連れ添い、その間二人で、小料理屋を繁盛させていました。

とても仲睦まじい夫婦として、近所でも大変有名だったそうです。

しかし突然、Dさんの事実婚の夫が急死。

葬儀をなんとか済ませたあと、Dさんの夫の前妻の子が訪ねてきました。

Dさんの夫は、Dさんとの生活を始める前に、一年間ほど、他の女性と結婚生活を送っており、その女性との間に一人の息子がいたのです。

結局、籍を入れていなかったDさんは、法定相続人となることはできず、夫と二人で築いた不動産などの財産を、前妻の息子に奪い取られてしまいました。

どんなに生前に仲良くしていても、現行法では事実婚の妻は、相続人とはなれないのです。

もし事実婚の場合は、生前に遺言書を作成するなどの対処をしておくべきでしょう。

引用元:幻冬社 GOLD ONLINEhttps://gentosha-go.com/articles/-/24715

⒊実際に起きた遺産相続NO.3「親族が協力してくれない」

土地の名義変更をすぐに行っていなかったために、名義変更に時間がかかったケースなのですが、

今回は、親族の中に協力してくれない人がいたために、調停・審判を行って解決したお話です。

Cさんは、60代の男性で、土地と農地、山林を所有しているのですが、それらの名義が、昭和50年代に死亡したCさんの祖父のままになっていました。

実は、Cさんは、祖父が亡くなった際と昭和60年代の2回に渡って、司法書士に頼んで名義変更をしようと試みました。

しかし、Cさんの叔父だけが、協力してくれず、名義変更できないまま、現在に至っていました。

Cさんの叔父が今回も、不動産の名義変更に協力してくれるとは思えなかったため、裁判所に遺産分割の調停申立を行うことになりました。

協力的な親族からは、「相続分譲渡証」と「脱退届」に署名と押印をしてもらいました。

また、過去に名義変更をしようとして、親族から集めた署名・押印がされている書類なども資料として、一緒に裁判所に提出しました。

そして、協力的な親族も含む10数名の相続人を相手方として、「遺産分割調停申立書」を裁判所に提出したのです。

調停の日に叔父は現れることはなく、裁判所は提出した資料を調べた上で、「調停に代わる審判」を出しました。

この審判書は、相続人全員の元へ送付された2週間後から効力が発生するのですが、一部の親族たちが、審判書の受け取りを拒否してしまいました。

調停に代わる審判は、調停と同じ意義を持つものなのですが、調停はその日に効力が発生するのに対し、

調停に代わる審判は、相続人が受け取ってから2週間となっているので、相続人が受け取らない限り、効力が発生しないという事になってしまうのです。

しかし、そこに住んでいるのに、「わざと受け取らない」という卑劣な方法を使って、

大切な審判の効力を発生させないという行為が決して許されることはありません。

郵便局には、「付郵便送達(ふゆうびんそうたつ)」という便利な制度があり、

郵便局から書留郵便で発送された時点で、相手方に届いたとみなすことができるという郵便があります。

裁判所に付郵便送達をしてもらうために、司法書士事務所のスタッフが、審判書を受け取らない親族のところへ現地調査に向かい、

写真付きの調査報告書を裁判所に提出しました。

そして、これらの親族が故意に審判書を受け取っていないという旨を裁判所に報告したおかげで、裁判所に付郵便送達を出してもらうことができました。

そして、晴れてCさんは、長年の夢であった、土地や農地、山林を、祖父の名義から自分の名義に変更できたわけです。

あまり仲が良くない親族であっても、相続など色々なトラブルに備えて、関係を保っておくことは大切なことです。

しかし、Cさんのケースのように、どうしても悪意でしか対応してこない人もいます。

その場合は、決して泣き寝入りせず、司法書士や弁護士などの相続のプロに相談して、解決に導くようにしてください。

時間や労力はかかると思いますが、助けてくれる人はいますから、安心してください。

引用元:太田原相続遺言相談室https://otawara-souzoku.com/news/news-1002 /

⒋実際に起きた遺産相続NO.4「行方不明の相続人がいる」

Aさんは、Aさんの亡父名義の土地があり、この土地の名義をAさんにしたいと長年思っていました。

相続人は、Aさん以外に、前妻の子供であるBさんとCさんがいるのですが、Cさんは外国国籍を取得し、海外へ移住してしまっていました。

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Cさんと誰も音信が取れない状態であるため、何度も土地の名義変更の手続きを試みたのですが、Cさんの協力を得られないという理由で、名義変更が出来なかったのです。

相続で遺産分割する際には、必ず相続人全員の同意が必要となります。

もし、相続人の中で行方不明の人がいる場合で、遺産分割する時は、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任の申立を行い、その不在者管理人が遺産分割協議に参加することになります。

今回のケースで、遺産分割協議をする場合は、Aさん、Bさん、そしてCさんの不在者財産管理人が協力しあって行うことになります。

そして、Cさんには、法定相続分相当の財産を取得するように、遺産分割をしなければなりません。

つまり、土地の名義の3分の1をCさんにするか、Cさんが戻ってきた時に、土地価格の3分の1に相当する現金をCさんに渡す必要があるのです。

Aさんは、土地の名義を共同にしてしまうことで、子供の世代にまた、争いが生じてしまうと思っていましたので、土地の名義の3分の1にすることに抵抗がありました。

そして、金銭的な事情により、Cさんに渡さなければならない現金を用意することも出来ませんでした。

そのため、幾度となく土地の名義変更を試みても、いつも壁にぶち当たっていたのです。

そこで司法書士が取った行動は、まず土地の登記簿をチェックすることでした。

確認してみると、なんと、土地の名義が当初は、売主からAさんの夫となっていたのです。

理由を尋ねてみると、当初は、Aさんの夫が土地の買主として契約をしたのですが、Aさんのお父さんに金銭的な援助をしてもらったためと、その事による相続税を心配したために、「真正な登記名義の回復」を原因とする登記名義人の変更をして、Aさんのお父さん名義になっていたことが分かりました。

当初はAさんが土地売買の契約の当事者であったのですから、Aさんが原告となって、相続人全員に「Aさんの夫の名義となるべき土地の名義が、Aさんの亡父になっているので、こちらの名義を消してほしい」という旨の裁判を起こせば良いのではないかという解決策が見つかりました。

しかも、Aさんのお父さん名義の土地の上に、Aさんの夫が家を建て、Aさん家族とお父さんが一緒に同居するようにしていましたし、Aさんの家族が、Aさんのお父さんの面倒を見ていましたから、Bさんは、土地の名義をAさんに変更することに対して協力してくれました。

問題はCさんの同意です。

外国に住む人を相手として裁判を起こす場合も、日本国内の場合と同じように、住所と氏名が記載された訴状を送達(訴状を送ること)しなければならないので、以前教えてもらっていたCさんの住所に訴状を送りました。

しかし、当然のことながら、訴状は届かなかったので、公示送達という方法で、裁判が進められました。

公示送達とは、裁判所の掲示板に、裁判の書類を掲示することで、送達と同じ意味をもたせる方法です。

これによって、Cさんが行方不明であるために、名義変更が出来ないという袋小路の状態を突破することが出来たのです。

税務においても、登記においても問題ないことを確認した上で、裁判を提議し、無事、Aさんの夫が勝訴し、土地の名義をAさんの夫に戻すことができました。

Cさんが海外で行方不明であったため、公示送達などで日数がかかり、1年以上の歳月を必要としましたが、なんども行き詰まっていた土地の名義変更の問題を無事解決できたので、Aさん家族はホッとしていらっしゃいます。

土地の名義を変更することによって、想定外の税金がかかる場合もありますから、登記の面だけでなく、税務面でもきちんと確認しておく必要があります。

税務は、どうしても専門家に頼ってしまいがちですが、専門家でも見落とすことがありますから、余力があれば、自分でも調べてみてください。

土地などの不動産の名義変更は、期限がないので、ついつい後回しにしがちです。

もしAさんのお父さんがご存命の間に、名義変更の手続きをしておけば、これほどの労力が不要だったかもしれません。

あるいはCさんの行方がわかっていれば、同じように手間がかからなかったかもしれません。

Cさんが名義変更に協力的ではなかったとしても、裁判所での調停や審判という方法もありますから、何とか名義変更を進めることもできます。

どんなに打つ手が無いように思えても、何かしらの手段は用意されていますから、くじけずに色々な方法を専門家と一緒に探ってみてください。

引用元「成田圭司法書士事務所」https://narita-shihoshoshi.com/jirei/jirei-010.shtml

⒌まとめ

遺産相続の際には、色々な家庭の事情でトラブルが起こるものです。

相続が争いにならないための常備薬として、実際に起きた相続トラブルから学んでいきましょう。

早めに準備をして損をすることはないでしょうからね。

この度も最後までお読みいただきまして有難うございました。