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『成年後見制度の1つ法定後見制度とは?』親の認知症対策

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

1.法定後見人とは

 


法定後見人とは
認知症などが原因となって、高齢の親が冷静な判断が出来なくなってしまった場合に、その人に代わって法律行為を行うことができる人のこと

この制度は、親が高齢なら誰でも利用出来るというわけではなく、冷静な判断が出来なくなってしまった場合のみ利用可能であるという特徴があります。

法定後見人の制度を利用できるかどうかは、本人が日常生活において必要な買い物を一人でできるかどうか、また不動産の売却や自動車の購入など、金銭的な賃借を一人でできるかどうかによって判断できますね。

一人で買い物ができ、お金の管理もしっかりできる場合には、冷静な判断ができるということなので、残念ながら法定後見人の制度は利用できませんね。

ただし、今は自立した生活ができているものの、将来を考えて本人が不安を感じているという時には、家庭裁判所に申し立てを行い、特定の法律行為を代理で行うことができる補助人を選任することが可能です。

また、一人で買い物に行くことはできても、車や不動産の契約などはできないという場合には、補助人ではなく「保佐人」という後見人を選任することが可能です。

補助人と保佐人はどちらも、本人が希望する人を後見人として選定できるという特徴があります。

 

 

既に冷静な判断が出来なくなっている場合には、家庭裁判所に申し立てを行って、法定後見人を選任することができます。

ただし、法定後見人は、希望する人であればなれるというわけではなく、被後見人および後見人候補の経済状況を始め、たくさんの要素が考慮された上で決定されます。

家族が後見人に選任されないケースでは、弁護士が選任されることになりますが、その場合には毎月弁護士へ支払う報酬が数万円かかることになるため、家族の負担は大きくなってしまう可能性があります。

2.法定後見人ができる3つのこと

法定後見人ができることは、大きく分けると3つあります。

できる①
『被後見人の財産に関係する法律行為を代理で行うこと』

本人が所有していた不動産や車の売却、アパートを解約して施設への入居の契約を行うなどの行為があります。

ただし、被後見人が所有する不動産を処分する場合には、家庭裁判所の許可が必要となるため、法定後見人が独断で不動産を処分することはできませんね。

法律行為の代理権は、被後見人が施設に入居した後などに、とても大きな役割を担います。

例えば、施設へ入居する際には、後見人が代理で契約をする事になります。

また、入居した後に病院へ入院しなければいけない時の許可も法定後見人が出すことになります。

 

できる②
『財産管理権・被後見人の財産を管理すること』

被後見人の銀行口座から当人のために生活費を引き出す、あるいは被後見人が病院へ通院する際に医療費の支払いをする、といった行為があります。

できる③
『被後見人が行った法律行為を取消すという権利』

認知症を患っていたりして冷静な判断ができない人は、不利な契約を提示されていても、理解することが難しいものです。

万が一被後見人が不利な契約をした場合でも、法定後見人はそれを取消すことが法律で認められていますね。

 

3.法定後見人ができない4つのこと

法定後見人は、冷静な判断が出来なくなってしまった人の代理として、法律行為を行うというものです。

しかし、被後見人の代わりとして何でもできるというわけではありません。

法定後見人ができないことは、大きく分けて4つあります。

できない①
『法律行為の取消権を日用品購入のキャンセルに使う』

例えば、被後見人がトイレットペーパーを1つではなく2つ購入したので、1つをスーパーに持って行って取消権を行使して返金してもらうということはできないわけですね。

できない②
『医療行為の代諾』

被後見人に冷静な判断ができない場合、家族がいれば家族に代諾を求めるケースがほとんどです。

一方、被後見人に身寄りがいない場合にはどうしても法定後見人へ代諾を求めることが多くなります。原則的には代諾することは認められていないものの、誰も代諾しなければ必要な治療を受けられないことになってしまいます。

そのため、この部分に関してはケースバイケースでの判断が求められますね。

できない③
『一身専属権の行使』

離婚したり養子縁組をしたり、遺言書を書き直したりといった行為は、法定後見人には与えられていません。

できない④
『被後見人本人が住んでいる不動産を処分する行為』

ただしこれは、家庭裁判所に申し立てを行い、認可を受けることで処分することは可能です。

例えば、認知症を発症した親が住んでいる不動産を処分して、施設へ入居させるといった時には、家庭裁判所に申し立てをして認められたうえで、不動産を処分できます。

ただし、得た利益を施設への入居費用に使いたいという場合には、再び家庭裁判所へ申し立てをして認められなければいけませんね。

4. 法定後見人の手続き方法


法定後見人の制度は法的な手続きが必要です。

そのため、申し立ての手続きを家庭裁判所へ提出することから始めることになります。

法定後見人は、被後見人に冷静な判断力がないという条件が課せられているため、申し立ての際には申し立て書に加えて診断書などが必要となります。

また、被後見人にどれほどの財産があるのかによって、誰を法定後見人に選定するかが異なります。

そのため、申し立ての際には本人の財産目録なども合わせて提出しなければいけません。

申し立ての手続きをすると、約1ヶ月~2ヶ月程度で法定後見人が選任されることになります。

この期間に、家庭裁判所は書類の内容を確認すると同時に、後見人の候補者以外の家族からの意見も聞きながら、誰がふさわしいかを絞り込んでいきます。

一般的には子供など家族が法定後見人になるべく候補者として立候補することが多いものの、実際に家族が法定後見人になれるのは全体の30%程度のみで、70%は弁護士が選任されています。

その理由は、家族が法定後見人になることによってトラブルが多発しているためです。そのため、被後見人の財産の金額や定期的な収入の有無、また家族関係や家族の金銭状態によっては、家族で意見が一致していても弁護士が法定後見人に選任されるケースもありますよね。

5.弁護士が法定後見人に選任される6つのケース

 

 

家族が法定後見人になることを望んでいても、最終的に決定するのは家庭裁判所です。

家族全員が特定の人物を法定後見人にしたいと希望していても、家庭裁判所が設けている基準に照らし合わせた上で、弁護士の方が妥当だと判断されることは少なくありません。

どんな場合には弁護士が法定後見人に選任されるのでしょうか。

ケース①
『被後見人の資産が多い』

銀行口座に持っている流動資産の目安としては、1,000万円が一つの基準となっています。

ただし、1,000万円未満であっても預貯金に加えて株や債券など、多種多様な資産を持っている場合には、弁護士が選任されるケースが多くなりますね。

ケース②
『法定後見人の候補者が遠方に住んでいる場合』

例えば、遠方に住んでいる長男が後見人として立候補しても、日常生活の法律行為を代理で行うことは難しいと判断されます。そのため、弁護士の方が適切とみなされるでしょう。

ケース③
『法定後見人の候補者が置かれている経済状態に懸念がある場合』

住宅ローンを抱えていることは問題にならないものの、それ以外にローンを抱えていると、万が一の使い込みを懸念されてしまいますね。

もちろん、ギャンブルによる借金などはNGです。

加えて、自動車ローンや教育ローンなども、マイナスの影響があります。

また、候補者が過去に自己破産や債務整理をしている場合にも、弁護士が法定後見人として選任されることが多いでしょう。

ケース④
『法定後見人と候補者との生活費の切り離しが十分ではないとみなされた場合』

例えば、同居していて銀行口座を子供が預かっているという場合には、生活にかかる費用の出どころが明確ではありません。

そうした場合には、法定後見人として弁護士が適切だと判断されることになります。

ケース⑤
『候補者以外の家族が反対している場合』

客観的に見て候補者が適切であっても、他の家族が反対している場合には、後からのトラブルを予防するために弁護士が法定後見人に選任される可能性が高くなりますね。

ケース⑥
『候補者の年齢や健康状態が理想的ではない場合』

例えば、候補者が高齢である、あるいは疾患を抱えていて健康面で不安がある場合などには、法定後見人は弁護士となります。

6.まとめ

病気もなる前からならないようにセルフメディケーションする。

認知症対策も然り。

しかし、これがなかなか出来ないのが、人間の性でしょうか。

2021年から、数多くの団塊ジュニア世代が50代に突入。

介護離職が増え始めると言われております。

当サイトが認知症対策の一助となることを願います。

●監修 ハウス・アンド・ランド・サロン