横浜市中区・西区の不動産や相続のことは、ハウス・アンド・ランドにお任せ!税理士や司法書士、弁護士、銀行とチームで解決!

実際にあった遺産相続②「前妻の子に遺留分減殺請求された」他 必見の全4話

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

遺産相続の際には、色々な家庭の事情でトラブルが起こるものです。

相続が争いにならないための常備薬として、実際にあった、相続トラブルをチェックしていきましょう!

ケース1.行方不明の相続人がいるため、名義変更に時間がかかったケース

Aさんは、Aさんの亡父名義の土地があり、この土地の名義をAさんにしたいと長年思っていました。

相続人は、Aさん以外に、前妻の子供であるBさんとCさんがいるのですが、Cさんは外国国籍を取得し、海外へ移住してしまっていました。

Cさんと誰も音信が取れない状態であるため、何度も土地の名義変更の手続きを試みたのですが、Cさんの協力を得られないという理由で、名義変更が出来なかったのです。

相続で遺産分割する際には、必ず相続人全員の同意が必要となります。

もし、相続人の中で行方不明の人がいる場合で、遺産分割する時は、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任の申立を行い、その不在者管理人が遺産分割協議に参加することになります。

今回のケースで、遺産分割協議をする場合は、Aさん、Bさん、そしてCさんの不在者財産管理人が協力しあって行うことになります。

そして、Cさんには、法定相続分相当の財産を取得するように、遺産分割をしなければなりません。

つまり、土地の名義の3分の1をCさんにするか、Cさんが戻ってきた時に、土地価格の3分の1に相当する現金をCさんに渡す必要があるのです。

Aさんは、土地の名義を共同にしてしまうことで、子供の世代にまた、争いが生じてしまうと思っていましたので、土地の名義の3分の1にすることに抵抗がありました。

そして、金銭的な事情により、Cさんに渡さなければならない現金を用意することも出来ませんでした。

そのため、幾度となく土地の名義変更を試みても、いつも壁にぶち当たっていたのです。

そこで司法書士が取った行動は、まず土地の登記簿をチェックすることでした。

確認してみると、なんと、土地の名義が当初は、売主からAさんの夫となっていたのです。

理由を尋ねてみると、当初は、Aさんの夫が土地の買主として契約をしたのですが、Aさんのお父さんに金銭的な援助をしてもらったためと、その事による相続税を心配したために、「真正な登記名義の回復」を原因とする登記名義人の変更をして、Aさんのお父さん名義になっていたことが分かりました。

当初はAさんが土地売買の契約の当事者であったのですから、Aさんが原告となって、相続人全員に「Aさんの夫の名義となるべき土地の名義が、Aさんの亡父になっているので、こちらの名義を消してほしい」という旨の裁判を起こせば良いのではないかという解決策が見つかりました。

しかも、Aさんのお父さん名義の土地の上に、Aさんの夫が家を建て、Aさん家族とお父さんが一緒に同居するようにしていましたし、Aさんの家族が、Aさんのお父さんの面倒を見ていましたから、Bさんは、土地の名義をAさんに変更することに対して協力してくれました。

問題はCさんの同意です。

外国に住む人を相手として裁判を起こす場合も、日本国内の場合と同じように、住所と氏名が記載された訴状を送達(訴状を送ること)しなければならないので、以前教えてもらっていたCさんの住所に訴状を送りました。

しかし、当然のことながら、訴状は届かなかったので、公示送達という方法で、裁判が進められました。

公示送達とは、裁判所の掲示板に、裁判の書類を掲示することで、送達と同じ意味をもたせる方法です。

これによって、Cさんが行方不明であるために、名義変更が出来ないという袋小路の状態を突破することが出来たのです。

税務においても、登記においても問題ないことを確認した上で、裁判を提議し、無事、Aさんの夫が勝訴し、土地の名義をAさんの夫に戻すことができました。

Cさんが海外で行方不明であったため、公示送達などで日数がかかり、1年以上の歳月を必要としましたが、なんども行き詰まっていた土地の名義変更の問題を無事解決できたので、Aさん家族はホッとしていらっしゃいます。

土地の名義を変更することによって、想定外の税金がかかる場合もありますから、登記の面だけでなく、税務面でもきちんと確認しておく必要があります。

税務は、どうしても専門家に頼ってしまいがちですが、専門家でも見落とすことがありますから、余力があれば、自分でも調べてみてください。

土地などの不動産の名義変更は、期限がないので、ついつい後回しにしがちです。

もしAさんのお父さんがご存命の間に、名義変更の手続きをしておけば、これほどの労力が不要だったかもしれません。

あるいはCさんの行方がわかっていれば、同じように手間がかからなかったかもしれません。

Cさんが名義変更に協力的ではなかったとしても、裁判所での調停や審判という方法もありますから、何とか名義変更を進めることもできます。

どんなに打つ手が無いように思えても、何かしらの手段は用意されていますから、くじけずに色々な方法を専門家と一緒に探ってみてください。

引用元「成田圭司法書士事務所」
https://narita-shihoshoshi.com/jirei/jirei-010.shtml

ケース2.知的障害の子供のために家族信託を行ったケース


Dさんは60代の女性で、長男は42歳で知的障害を抱えています。

Dさんには近隣の市に住む長女と、昔家を飛び出していった後、音信不通になっている次男がいます。

長男は、障害者施設で生活をしており、長男の将来のことを考えて、コツコツ貯めた預金があります。

しかし、Dさんは自分が亡き後、音信不通となっている次男が、遺産分割に入り込んできて、長男のために残したお金を要求してくるのではないかと不安に思っています。

できれば、自分が亡き後は、長女が長男の面倒を見て、長男が死亡した後は、残りのお金を長女に渡したいと考えています。

Dさんは、遺言を作成して、長男に不動産などを含めた遺産を相続させる方法もあるのですが、長男に成年後見人がついてしまうと、弁護士などの第三者が入ってきてしまうので、高額な成年後見人報酬が発生してしまいます。

さらに長女が預金の管理をすることが出来なくなってしまうので、Dさんの希望通りに、お金を残すことが出来なくなってしまうリスクが出てきてしまいます。

そこで、司法書士が提案したのが、家族信託です。

Dさんを委託者、長女を受託者として家族信託の契約をかわし、預金を信託財産として長女が管理するように手続きをしました。

この信託財産から、長女が、長男の施設へ送金したり、長男が病気になった時には、医療費を使うことができたりするようになりました。

万が一、Dさんが認知症になったり、死亡したりしても、長女が引き続き、信託財産を管理して、長男のケアを行ってくれますし、長男が死亡した際は、長女を残余財産帰属権利者として定めておいたので、長女が残りの財産を引き継ぐことができます。

Dさんが思った通りの財産の使い道を選ぶことができて、Dさんはとても安心していらっしゃいます。

自分の子供に知的障害があったり、あるいは父や母が認知症を患っていたりなどして、成年後見人をつける必要が出てくることは、誰しも起こりうることです。

確かに知的障害がある子供が、遺産分割において不利に扱われたり、認知症の父を騙して、自分に有利な遺言を書かせたりなどの悪徳行為が、残念ですが、存在していることは事実です。

成年後見人は、弱者を守るために必要な制度ですが、成年後見人がついてしまうと、毎月2〜6万円の費用がかかってしまいます。

毎月2〜6万円の費用は、一般家庭ではかなりの出費と言えます。

金銭的に余裕がある家でも、成年後見人を長年つけてしまっていたら、やはり多額の報酬に躊躇してしまうことになるでしょう。

このような事態を出来るだけ避けるためにも、早めに家族信託など、最適な手段を選んでください。

関連記事

認知症問題には『成年後見制度』?『家族信託』?どちらが有効なのかを検証 『家族信託は、親の認知症対策や相続対策に有効なのか?』を検証 子供が障害者の場合の不動産相続

引用元「大田原相続遺言相談室」
https://otawara-souzoku.com/news/745/

ケース3.前妻の子に遺留分減殺請求されたケース

Eさんは再婚した際に、自分の連れ子を夫と養子縁組させました。

夫も再婚で、夫には前妻との間に子がいました。

突然夫が死亡し、遺言では、Eさんと養子縁組をしたEさんの子供に相続させると記載されていましたが、前妻の子への相続は一切記載されていませんでした。

相続が終わって数年経てから、前妻の子から、遺留分減殺請求をされてしまいました。

自宅以外に、めぼしい遺産がなかったため、Eさんは、減殺請求に対応することができず、交渉が難航してしまったため、前妻側から裁判を提議されてしまいました。

めぼしい遺産が自宅しかない状態ではありましたが、その自宅がとても立派なものであったため、遺留分減殺請求の額はかなり高額なものとなり、Eさんは、住み慣れた自宅を手放さなくてはならないかという不安な気持ちでいっぱいとなりました。

結局、親族などの協力があって、自宅を手放すこともなく、和解へとこぎつけました。

このように前妻との間に子がいた場合は、相続の際にトラブルになりやすいので注意が必要です。

前妻とは離婚しても、前妻の子は、法律上は、相続人の子のままですから、相続人としての権利を持ち続けるのです。

もちろん、前妻の子が、何かしらの非行があり、被相続人である父親の財産や精神を著しく侵害するような行為を行っていて、家庭裁判所に相続人としての権利を剥奪してしまっていれば別ですが、そのような場合でもなければ、前妻の子は、法定相続人であることに間違いないのです。

遺留分減殺請求の期限は、1年という風に聞いたことがあるかもしれません。

しかし、Eさんのケースでは、相続後、数年経てから、遺留分減殺請求を起こされています。

これはなぜかというと、遺留分減殺請求は、相続の開始および減殺すべき贈与遺贈があったことを知ってから1年というのが、正確な期限だからです。

つまり、前妻と前妻の子は、Eさんの夫が死んだことをずっと知らずに過ごしていたため、相続が終わってから、数年後にEさんに遺留分減殺請求をしてきたのです。

もし、Eさんの夫が、前妻と前妻の子がいることを踏まえて、生前に遺言の内容に関して、弁護士や司法書士などに相談して、遺言書を作成していれば、このようなトラブルは避けられたかもしれません。

或いは、生前贈与など、その他の方法で、円満に後妻たちに遺産を相続させることが出来たかもしれません。

このケースは、何とか和解できましたが、そう簡単に和解できることも少ないので、前妻との間に子がいる場合は、早めの対処をしておくことをおすすめします。

引用元「神戸の生前対策・遺言状作成に強い 福田法律事務所」
https://yuigon.sou-zoku.jp/solve_case/40/

ケース4.前妻の子との間で、遺産分割調停が成立したケース

Aさんは、前妻のBさんとの間に、子Y1、Y2、D、E、F、Gがおり、後妻Cとの間に、子X1、X2がいました。

Aさんが亡くなり、その遺産が、C、X1、X2、Y1、Y2、D、E、F、Gの間で分割されました。
その後、Cが亡くなったので、Cの遺産を子のX1とX2が相続しました。

その後、Y1がAから不動産の生前贈与を受けていたことがわかり、Y1、X1、X2、Y1、Y2、D、E、F、Gの間で、相続に関して争いが起こってしまいました。

X1とX2の代理人である弁護士は、Y1が生前に贈与を受けた不動産が、特別受益にあたるとして、遺産分割調停を裁判所に申し立て、特別受益を考慮した遺産の分配をするべきだと提議しました。

調停が進むうち、D、E、F、Gは、Y1、Y2に持分を譲渡して調停から脱退してしまいました。

度重なる調停を経て、不動産1はX1、X2、Y2に、不動産2はX1、X2に、不動産3はY1、Y2に、預貯金はY1に分けることになりました。

それから、代償金として、Y1、Y2は、X1、X2に約250万円を支払うこととなりました。

そして何より大切なAさんの遺骨と位牌は、X1、X2が引き続き管理することとなりました。

とにかく、登場人物が多くて理解するのが、ちょっと困難なケースでした。

このように一旦相続が終わったと思っていても、特別受益という形に取られて、争いに発展することもあり得るので、注意が必要です。

前妻との間にお子さんがいらっしゃる場合は、感情的になりやすいので、生前から遺産分割に関して準備をしておくのが得策です。

今回の場合は、途中から、裁判官から調停案が提出されており、それを土台として結論を導きだしています。

それでも調停が終結するまでに2年かかったということですから、やはり争いはしたくないものです。

なぜなら、本当に精神的にも経済的にも疲弊してしまうものですから。

ちなみに遺産分割調停は、ご本人でも出来ます。

しかし、とにかく専門的な言葉が出てきますし、何より感情的になりやすくなるので、弁護士などの専門家に代理人として調停を進めてもらったほうが良いのではないでしょうか。

「引用元」弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所
https://www.justitia-law.com/720/72050/

意外に多い!前妻の子とのトラブル!

余談となりますが、被相続人が死亡した際、被相続人に前妻の子がいる場合は、ご紹介したケース3や4のようにトラブルになりやすいです。

3や4のケースでは、とりあえず、相談者が納得いく結論に達していますが、中には、前妻の子に全て取られてしまったり、反対に後妻の妻に遺産を独り占めにされてしまったりなどといったトラブルが絶えません。

前妻の子に遺産を相続させたくないと思っても、前述した通り、前妻の子は法定相続人ですから、相続人から排除することはできません。

ただし、(1)被相続人に対し一方的な虐待や重大な侮辱を与えた時、(2)著しい非行があった時は、相続人の排除ができます。

相続人を排除する方法は、生きている間に、家庭裁判所に申し立てるか、或いは遺言書に記載しておいて、遺言執行者に申し立てをしてもらうかのどちらかになります。

しかし、相続人にこれらの非行があったとしても、それが著しく、被相続人の財産や精神を脅かす行為である必要があるので、そう簡単に相続人を排除することはできないです。

さらに、相続人を排除できたとしても、相続人の子供たちが、代襲相続人になった場合は、彼らが法定相続人になってしまうケースもあります。

相続人の排除を考えるよりも、生前に何らかの対処をしたほうが良いかもしれません。

生前の対処方法の一つとして、生前贈与をすすめられることがありますが、生前贈与をしても、それが特別受益にあたると判断されれば、贈与した分を、相続財産に戻して再計算される可能性があります。

さらに相続財産が2,500万円を超える時は、贈与税がかかってしまいますから、前妻の子に財産を渡さないために、後妻と後妻の子に生前贈与をする場合は、弁護士などの専門家に相談してみてください。

遺言で後妻と後妻の子だけに財産を相続させる旨を書いておけば、前妻の子に遺留分減殺請求をされない限り、前妻の子に財産が渡ることはありません。

もし請求をされたとしても、遺留分は8分の1となるので、前妻の子に渡す財産を少なくとどめておくことができます。

いずれにせよ、前妻と後妻の間でトラブルが起こらないように、生前に準備しておくのが良いでしょう。

自分が元気でいる間に、前妻と後妻の双方に配慮した遺言状を作っておくのがベストかもしれません。

●監修 ハウス・アンド・ランド・サロン